バーンスタインと手塚治虫

あいのうらいん

2015年07月04日 19:23

前回予告の通りバーンスタインの話題です。

指揮者として沢山の素晴らしい演奏を残しています。

クラシックを聴かない方でも
ミュージカル映画「ウエストサイド物語」をご存じの方は沢山いらっしゃると思います。

映画の中の素晴らしい音楽の数々を作曲したことで有名なのがレナード・バーンスタインです。

しかし、
日本を代表する漫画家、手塚治虫がレナード・バーンスタインを主人公に描いた
「雨のコンダクター」(1974年発表) という作品があるのをご存じの方は少ないはず。

これは、ケネディ・センターホールで開かれたニクソン大統領の就任記念演奏会の同時刻に、
ワシン­トン大聖堂でバーンスタインが催したベトナム反戦コンサートを描いた漫画です。


1973年のどしゃ降りの日のワシントン。ニクソン政権時代のアメリカ。
ベトナム戦争を休戦に持ち込んみ、撰挙を勝ち抜いたニクソン大統領は2期目の就任前夜にコンサートを開催します。

しかし、ベトナム戦争に対するアメリカの態度に憤りを感じていたバーンスタインは
同日にワシントン大聖堂で無料コンサートを開きます。

ニクソン側はナポレオンの勝利を讃えるチャイコフスキー「1812年」。
一方バーンスタイン側はそのナポレオンに征服されたウィーン市民の怒りと反発を綴ったハイドン「戦時ミサ曲」。

雨の中、バーンスタイン側の大聖堂へ、大行列ができます。
雨が降っているにも関わらず会場に入りきれない来場者が12,000人にも膨れ上がりました。


という実話を手塚治は漫画で描写しています。

以降 バーンスタインは ニクソン政権に 疎んじられ彼は活動の軸足を ヨーロッパに向けることになります。


この漫画とハイドン「戦時ミサ曲」のCDがセットになって発売されています。

保護者の方で興味のある方は、お声かけください。
お貸ししますよ

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